From. 吉田愛
息子が勉強をしない、、、。
社員のやる気がない、、、。
そんな悩みを抱えている方が相談に来られることが多くあります。
あなたは、なぜ周りにいる気力のない人を奮い立たせることができないのでしょうか。
私が考える原因、それは、『あなたが「やる気を出しなさい。」と言っているから』ではないかと思うのです。
「やる気を出しなさい」とは=「自分でやる気を出せるようになりなさい」ということ。
つまり、「魚(やる気)の釣り方を覚えなさい」ということです。
魚の釣り方を教えようとする、言い換えると「やる気を出す方法を伝える」は一見正しいです。
しかし、その前にすべきことがあります。それは魚(やる気)を与えること。
そして場合によっては、本人がじつは飢餓状態(意欲喪失状態)であったことに気づかせることです。
本人が「魚は必要だし美味しい(意欲的に何かに取り組むことは自分にとってもいいことだ)」ということに気づくこと。
気力のない人、やる気が出ない人は、自分に意欲がないことを自覚していないことが実際によくあります。あなたにも、気分が上がったときに初めて「元気がなかったんだ。」と気づいた経験はないでしょうか。
試験前なのに勉強をしない娘さん。
自分の意見を全く持っていない社員の方。
彼らはその状態にあるとは考えられないでしょうか。
そのような方に魚(やる気)を与え、「できるなら自分で魚を釣りたい」「釣り方を知りたい」と思うまで魚を与え続けます。
では、こちら側が与える魚(やる気)とは何でしょうか。
それは、愛情でありもっと言えば共感や肯定です。
共感や肯定とは、『そのままでも別にいいんだよ。』『そうなるのも仕方ないよね。』という気持ちからの相手への声掛けです。
教育やアドバイスをしても上手くいかない原因はほとんどの場合は、
「やる気をだしなさい」と言うことはあっても、「やる気(愛情)をあげること」はないことにあります。
釣り方を知りたくない人に、釣り方を教えることは不可能なのに、釣り方の教育から入ろうとしてしまうのです。
ここで、一つの疑問が湧くでしょう。
それは、「魚をくれる相手に依存している人が、自分で釣りたいと思うようになるだろうか?」ということ。
結論から言えば、湧くようになります。
その理由は二つ。
一つはポジティブな側面として、お腹がいっぱいになった人は、お腹を空かせている人が気になるということです。本当に満たされている人は、他の人にも食べさせてあげたいと思うようになる。あげるためには、自分で釣る必要がある。人は、してもらったら今度は誰かにしてあげたい思うようにできているからです。
もう一つはネガティブな側面。
ご存知の通り依存とは不自由なものです。頼っている人がいつ居なくなるか、愛情が無くなるか分からない。その人に合わせて生きなければならない。人に合わせることは、幸せに生きる上で大きな足かせとなります。
この二つの理由から、与え続けられ満たされた人は、自然と成長するためのアドバイスを自分から求めるよういなるのです。
釣り方を教えることは一見正しいと前述したように、正しいアプローチでしょう。それがなければ依存で終わってしまいます。与えられることが当たり前になった人は、釣り方を習得する意味、問題意識を持てなくなってしまうのです。
つまり、自立を促す方法において重要なことは、すぐに釣り方を教えることでも、魚を与え続けて終わりでもありません。
①魚を与え続け、②満たされた段階(いいタイミング)で釣り方を教えること。
この二つの過程を通ることが、成功の秘訣です。
褒めて欲しい人には賞賛の言葉をかけ、なぐさめて欲しい人には「きみは悪くないよ。」と言ってあげ、死にたい人にはただただ共感すること。
それを行って初めて、相手の心は開き、意見を聞き入れられるようになります。今まで頑なに握っていた自分の気持ちに、「あれ?本当にそうだろうか。」と疑問が湧き、他の人(あなた)の考え方を採用すことができるようになるのです。
その時こそ、「やる気を出しなさい」と言ってあげる時です。魚の釣り方を教える時なのです。
「まずは魚を与えること」そして、「満たされたタイミングで釣り方を教えること」。
それが自立を促すために何よりも重要になるのではないでしょうか。
※読者登録:リアルタイムでブログ更新をお知らせします。
登録は無料です。